◇LANの意味
LAN (Local Area Network) は、よく「狭い範囲のネットワーク」といわれます。企業の社内LANはもちろん、家庭内ネットワークもLANの1つです。ただ、LANの意味は、狭いとか広いという地理的な広がりよりも、「ネットワークの構築や管理などを誰が行うのか」という点で理解した方がよいでしょう。昨今はLANの技術が、地理的に広い範囲のネットワークを表すWAN (Wide Area Network) でも利用されるようになっているからです。
LANの特徴は、大きく次の2点です。
- 自前で構築、管理する
- 通信料金は必要ない
LANは、ユーザー自身が構築して管理しなければなりません。企業であれば、社内LANを管理する担当者がいるはずです(大企業では、LANの構築・管理をアウトソーシングしていることもあります)。また家庭内でも、自前で機器の配線を行ったことがあるユーザーは多いのではないでしょうか。ネットワーク機器の中には設定をしなくても動作するものもありますが、設定が必要なものも少なくありません。ネットワーク機器の設定は、一部のユーザーにとっては敷居が高いかもしれませんが、それを解消するために、一般家庭向けのブロードバンドルーターは専用の設定ツールを準備するなど、設定をわかりやすくするような工夫がされています。
またLAN内の通信は、料金は必要ありません。サイズの大きいファイルを共有したり、送受信したりしても、一切通信料金はかからないのです。もちろん、インターネット上のWebサイトを見るなど、インターネットの通信(LAN外の通信)をするには、別途通信料金が必要になります。
◇LANの規格
LANを構築するためには、ルーターやスイッチなどの機器やLANケーブルが必要です。これらの機器やケーブルは、当然ながら勝手なものを使うことはできません。LANの規格に準拠した機器やケーブルが必要です。
LANの規格には、次のようにいくつかあります(※7)。
- イーサネット
- トークンリング
- FDDI
上記のようにいくつか規格がありますが、現在は「イーサネット (Ethernet)」が最も普及しているLANの規格です。「LANといえばイーサネット」と考えても差し支えないほどです。
他のLAN規格に比べてイーサネットが普及した理由は、仕組みがシンプルだったことが挙げられます。トークンリングやFDDIは、通信効率を高めたり信頼性を確保するための仕組みがあり、イーサネットよりも複雑で、機器にかかるコストも高くなる傾向がありました。
一方イーサネットは、通信の効率があまりよくなく、信頼性も高くない場合があるのですが、仕組みがシンプルで、機器のコストが安いという特徴があります。また、普及が進むにつれてさらに機器のコストが下がり、高速化も進んだことも、イーサネットの普及に拍車をかけた要因です。
なお一口にイーサネットといっても、最大の通信速度や利用するケーブルによってさらに様々な規格が存在します。
主なイーサネットの規格
規格名 | ケーブル(伝送媒体) | 通信速度 |
---|---|---|
10BASE5 | 同軸ケーブル | 10Mbps |
10BASE2 | 同軸ケーブル | 10Mbps |
100BASE-T | カテゴリ3以上のUTPケーブル | 100Mbps |
100BASE-TX | カテゴリ5以上のUTPケーブル | 100Mbps |
100BASE-T4 | カテゴリ3以上のUTPケーブル | 100Mbps |
100BASE-FX | マルチモード光ファイバ | 100Mbps |
1000BASE-CX | 同軸ケーブル | 1Gbps (1000Mbps) |
1000BASE-SX | マルチモード光ファイバ | 1Gbps (1000Mbps) |
1000BASE-LX | シングルモード光ファイバ | 1Gbps (1000Mbps) |
1000BASE-T | カテゴリ5e以上のUTPケーブル(※カテゴリ5e以上を推奨) | 1Gbps (1000Mbps) |
一般に100Mbpsの通信速度のイーサネット規格を総称して「ファストイーサネット (Fast Ethernet)」、また1000Mbps (1Gbps) の通信速度のイーサネット規格を総称して「ギガビットイーサネット (Gigabit Ethernet)」と呼びます。
このようにたくさんのイーサネットの規格がありますが、家庭内LANでよく利用されているのは「100BASE-TX」や「1000BASE-T」です。特に近年では1000BASE-Tに対応している機器が増えており、PCやブロードバンドルーターを購入すると、そのほとんどが1000BASE-TのLANポートを備えています。
また上記以外に、10Gbps、40Gbps、100Gbpsというより高速なイーサネット規格も存在します。
つまりLANとは何か?
LAN(Local Area Network)は、限られた範囲内で機器同士を接続するネットワークのことです。企業のオフィスや家庭内ネットワークが代表的な例です。
LANは単に「狭い範囲のネットワーク」と説明されることが多いですが、本質的には「誰がネットワークを構築・管理するのか」という観点で理解すると分かりやすいです。ユーザー自身(または企業のIT担当者)がネットワークを構築し、管理するのがLANの特徴です。
LANの特徴
- 自分で構築・管理する
- 企業の場合:IT管理者が社内ネットワークを管理
- 家庭の場合:ルーターや配線を自分で設置・設定する
- LAN内の通信に料金はかからない
- 同じLAN内でデータの送受信をしても、通信費は不要
- ただし、インターネット(LANの外部)への接続には通信料金が発生
LANの規格
LANには様々な規格がありますが、現在主流なのは**イーサネット(Ethernet)**です。他の規格(トークンリング、FDDIなど)に比べてシンプルでコストが低く、高速化も進んだため、広く普及しました。
まとめ
LANとは、自分で管理する小規模なネットワークのことであり、家庭や企業内の通信に使用されます。イーサネットを中心に発展し、現在のインターネット環境を支える重要な技術の一つです。