コンデンサ

- 用途例:
- 電源ラインのノイズ除去(デカップリング)
- スイッチング電源のリップル平滑化
- 電源遮断直前の瞬間的な電流供給(バルクコンデンサ)
- 特徴:
- 振動しやすいスイッチングノイズや突入電流を短時間吸収
- 逆に必要に応じて蓄えた電荷を回路に供給
- 容量や耐圧で特性が変わり、配置場所や数が重要
目次
基本的な役割の違い
項目 | レギュレータ | コンデンサ |
---|---|---|
主な役割 | 入力電圧の変動や負荷変動を吸収し、一定の出力電圧を供給する | 電荷を一時的に蓄えたり放出したりして、回路の電圧変動を緩和する |
種類 | LDO(線形型)、スイッチング型(DC-DC)など | 電解コンデンサ、セラミックコンデンサ、タンタルなど |
動作原理 | 内部に誤差増幅器やスイッチング素子を持つ能動素子 | 金属電極と誘電体の間に電荷を蓄える受動素子 |
回路上での共存
実際の電源回路では、レギュレータ+コンデンサの組み合わせがほぼ必須です。
- 入力側のコンデンサ
- スイッチングレギュレータの場合はデータシート推奨容量を配置
- 急激な入力変動による不安定動作を防ぐ
- レギュレータ本体
- 内部回路で一定電圧を生成
- 過電流保護やサーマルシャットダウン機能が働く
- 出力側のコンデンサ
- 出力電圧のリップルや瞬時変動を平滑化
- 悪条件下でも電圧がすばやく安定するよう支援

コンデンサとは?概要と役割
- コンデンサは、金属電極と誘電体(絶縁体)を組み合わせて電荷を蓄える受動素子です。
- 電源回路の「ノイズ吸収」「リップル平滑化」「一時的なエネルギー供給」などで必須。
- 電荷を蓄えることで、回路の急激な電圧変動を緩和し、安定動作を助けます。
コンデンサの主な用途
- デカップリング(ノイズ除去)
- マイコンやICの電源ピン近くに置き、スイッチングノイズを吸収。
- 平滑化(リップル除去)
- 整流回路の出力に配置し、交流成分を取り除く。
- タイミング回路
- RC回路で遅延時間や発振周波数を決定。
- エネルギー貯蔵
- フラッシュライトの瞬間的な大電流供給やバックアップ電源に利用。
コンデンサの種類と比較
種類 | 容量範囲 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|---|
セラミック | pF~μF | 小型・低ESR・耐久性高/温度・電圧特性変動 | デカップリング、HFフィルタ |
電解コンデンサ | μF~mF | 大容量・小型/ESR高・寿命短め | 電源平滑化、バルク貯蔵 |
タンタル | μF~mF | 小型・低ESR/過大電流で壊れやすい | 高信頼化が必要な平滑化 |
フィルム | nF~μF | 安定性高・低誘電損失/大型・高価格 | RFフィルタ、精密タイミング |
使い分けポイント&選び方
- 周波数帯域
- 高周波ノイズには「セラミックコンデンサ(低ESR)」
- 低周波リップルには「電解 or タンタル」
- 容量と耐圧
- 必要容量(μF単位)と回路設計で使える電圧(耐圧)を確認
- ESR(等価直列抵抗)
- 大電流・高速応答には低ESRのタイプを選択
- 物理サイズ・寿命
- 小型化を重視するならセラミック/タンタル
- 長寿命・コスト優先なら電解コンデンサ
レギュレータとの違いをおさらい
- コンデンサ:受動的に電荷を蓄え、瞬間的に放出して電圧変動を緩和
- レギュレータ:能動的に入力電圧を検知・制御し、一定の定格電圧を出力
- 回路例:
- 入力側コンデンサ → 2. レギュレータ → 3. 出力側コンデンサ
と並べることで、より高い安定性と精度を両立
- 入力側コンデンサ → 2. レギュレータ → 3. 出力側コンデンサ
まとめ
- コンデンサは「電荷を蓄えるパーツ」で、ノイズ除去からエネルギー貯蔵まで幅広く活躍。
- セラミック・電解・タンタル・フィルムなど、用途に合わせて種類を選択しましょう。
- レギュレータと組み合わせることで、電子回路はノイズに強く、安定した電源環境を実現できます。
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